CLUB JAZZ definitive 1984-2015 巻末キー未開封②

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①の続き
こう考えると、クラブ・ジャズのハードルは結構高い。
しかし、実際にクラブ・ジャズと呼ばれるものの中に、そうではないものもかなり含まれてしまっている。
明確な音楽定義に沿うジャンルではないから、こうした現象が起きるのだ。
場合によって、ヒップホップ、ハウス、テクノ、ポップスなどの枠から外れてしまうような作品を、便宜的にクラブ・ジャズに入れてしまうケースも見受けられる。
そもそもジャズには他ジャンルの音楽要素を柔軟に取り入れたものが少なくないし、フュージョンとはそうした混血音楽である。クラブ・ジャズにも多種の要素が見受けられる。
しかし、それはあくまでジャズという音楽性が土台となってのもので、何でもかんでもジャズで括ってしまうこととは違う。
割合の問題でもあり、たとえば成分表示をしてジャズの要素が20~30%ほどしかないのに、それをクラブ・ジャズと呼んでいいのかということだ。


テクノ、アンビエント、ハウスに続く『ディフィニティヴ』シリーズ第4弾の本書は、このように曖昧な区分をされてきたクラブ・ジャズにとって初のディスク・ガイドとなる。
フューチャー・ジャズを扱った『remix』の別冊『フュージョニズム』(2004年)など、クラブ・ジャズにおける個別の動きをフォーカスした書物はあったが、アシッドジャズ時代からさらに遡り、UKで「ジャズで踊る」ムーヴメントが起こった頃から今日まで、約30年間のスパンで扱うディスク・ガイドは本書が初めてだろう。
本書の選盤は基本的にアルバムからで、前述したようにジャズが主要成分であるか、もしくは割合として高い比率を持つものをチョイスした。
だから、ATCQやラリーハードなど、一見すれば他ジャンルのアーティストが載っているのは、それなりの理由がある。
そうした観点からすれば、ザ・ルーツ、エリカ・バドゥ、ディアンジェロらも取り上げてもよかったが、それらは別のディスク・ガイドでも取り上げることが可能だし、クラブ・ジャズと括るまでもなく素晴らしいアーティストなので、本書には掲載していない。
それより、本書でなければ恐らく取り上げられないであろうアーティストたちにスポットを当てることを重視した。

2015年4月16日 小川充



■ ●タイトル : CLUB JAZZ definitive
■ 1984-2015

③に続く

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カテゴリー本・雑誌・漫画 > 本 > アート・デザイン・音楽商品の状態未使用に近い発送元の地域徳島県

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